暴れる羽
<4>転校生は話す
落ち着いた頃、紫苑の腕の中から這い出た。
下を向いたまま、
まだ拭い去りきれない不安を抱えつつ、
「あたしの話、聞いてくれる?」
と言った。
ところどころ聞き取りにくかったのか、紫苑の返事は遅かった。
「……聞く。聞くから、ゆっくりでいいから」
こんなに紫苑が優しいのは初めてで、逆に怖くなった。
でもそれすらもどうでもよくて、聞いてほしかった。