駆け抜けた少女ー二幕ー【完】

翌朝、予想通り寝坊した。

真っ先にお腹が減ったと、広間にやってくる矢央の姿がないことに土方が斎藤を見ると、


「昨晩あまり眠れていないようでした」

と、報告した。

そうか、と短く返事をし、寝坊したことを怒りはしない。


最近は矢央だけではなく、集まり事態あまりよくない。

皆それぞれ用があったり、わざと時間をずらしたりで、食事の支度をする女中は片付かないとボヤいていた。


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