駆け抜けた少女ー二幕ー【完】
「そこのお三方〜、ちょっとよろしいですか〜?」
沖田の呼び掛けに気付いた三人は、なんだ?と近付いてくる。
「おう、矢央。 今日は寝坊したんだってな!」
「もうっ、その話し広げないで下さいよ!」
ニヤニヤとからかう原田に、矢央はイーっと牙をむく。
そんな二人の傍では、沖田が祭りに同行してくれないかと頼んでいた。
「そういや祭りだって言ってたな」
「矢央ちゃんが行きたいなら、僕は勿論行くよ!」
顎に指を添える永倉と、矢央と出掛けられることが好都合な藤堂は乗り気だ。
「土方さんは良いって?」
「誰かが共に行くなら大丈夫ですよ。 一人では心配なので、出来れば三人でと思い」
土方に続いて厳しい永倉が、この件の運命を握っていると言っても過言ではない。
全員が永倉を見つめると、何を思ったかニヤリと口角を上げ「よし!行くか!」と、返事した。
「やったぁ!! お祭りっお祭りっ!」
日々のストレスを、祭りで発散させようと意気込む矢央。
喜ぶ矢央を見て、心が和む沖田たちだった。
.