駆け抜けた少女ー二幕ー【完】
布団に横になったまま無言で天井を見つめる矢央。
「どないした? 急に黙りくさって」
「……いえ、なんか情けないなぁって」
「情けない? 矢央ちゃん?」
暑さと疲労のせいで倒れたにしても、こういつも迷惑ばかりかけていると落ち込まずにはいられなかった。
いくら訓練してみても、体力も戦力も男にはかなうはずもなく、ならばせめて迷惑はかけないようにと思っていたのに。
「ううん…なんでもないです」
これ以上心配させまいと、笑顔で首を振った。
そんな矢央を見て皆不振がるが、話を長引かせるわけにもいかずそのまま部屋を後にする。
そして、その日の夜ーーーーー