駆け抜けた少女ー二幕ー【完】

それは去年の冬のこと。
坂本が仲介者となり、薩摩と長州が其々の思惑が合い手を組んだ。


幕府により長州討伐の命を下された薩摩は、その当時財政が潤い安定していたのだが、もし戦をしかけるとなれば沢山の仲間の犠牲と、せっかく潤っていた財政も危うくなる。


そして薩摩の中には倒幕の思考が広まりつつあった最中、そこで坂本は薩摩と長州を合わせることになる。


長州側は倒幕を進めたいが、朝敵となってしまってからは武器を手に入れることが出来なくなり、この常態で薩摩含め幕府が命を下した各藩に攻められては成す術がなく苦虫を噛んでいた。


そこで財政があり武器を仕入れることができ、そして戦をしたくなく、更に表立って幕府に戦を仕掛けたくない薩摩。
そして、武器が欲しく倒幕を進めたい長州の思惑が合致するのである。




これにて薩長同盟が結ばれたのだ。






「薩長は力をつけて、これから幕府の時代は終わりに向かう。 否、もう終わっていると言っていいぜよ、幕府の悪足掻きももう終いじゃ」


坂本は腰から刀を抜き、それを空に掲げる。



「刀が物言う時代は終わるぜよ」



皆が平等に過ごせる世。

そのためには幕府を終わらせるしかない。


坂本龍馬が描いた未来は、もうすぐそこまで見えているのだろう。

その瞳は少年のように輝いていた。















「そして幕府が終わるちゅうことは、新撰組も終わるってことぜよ」




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