駆け抜けた少女ー二幕ー【完】
「私は貴女に私の力の全てを受け取ってほしい。
もう私は成仏した身、この夢見の力など私が持っていても意味を成さない。
貴女は嫌かもしれないけど、きっとこの力がこれからの貴女の決断の一つ一つに勇気をくれるはずです」
お華は白く細い手を差し出す。
「わかった。これでお華さんは、本当に自由になれるんですよね?」
「はい。私はあの世で、ずっと貴女達を見守っています」
お華の手を掴む。
温もりは一切感じない。
「矢央さん、貴女の誠を貫いてください」
「はい」
意識が遠のいていく感覚に身体は包まれ、スーッと眠るようにしてお華と別れた。
お華さん、皆を見守っててねーーーーー