alternativeⅡ
「ルシファー少佐!」

アレクセイがルシファーを背後から押さえ込み、何とか妃から引き剥がそうとする。

「沖田少尉、お前も手伝え!」

アレクセイが棒立ちのままの蒼真に呼びかけるものの。

「何故だ」

蒼真の返答は、実に冷淡且つ突き放したものだった。

「化け物に肩入れする気はないが…その女が化け物を作り出したようなものなのだろう?罪は償うべき…裁かれるべき命を救う気はない」

罪なき妹が非業の死を遂げたというのに、何故神への冒涜とも言える所業をしでかした妃を、自分が救わなければならないのか。

蒼真の視線はあまりにも冷徹であり、ルシファーに圧し掛かられたままの妃には、その視線が刃を突き立てられたかのように痛かった。

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