alternativeⅡ
妃に圧し掛かった状態だったルシファーは、シオンの蹴りの一撃で壁際まで吹き飛ばされた!

「ごほっ!ごほごほっ!」

ようやく絞首刑から解放されて咳き込む妃を、アレクセイが抱き起こす。

「…お前ぇ…!」

脇腹を押さえて身を起こすルシファー。

シオンはその視線を真っ直ぐに受け止める。

「蹴ったのはごめんなさい…でも…仲間である妃さんを殺そうとするのを、黙って見過ごす訳にはいきません」

「そうかい、じゃあ…」

ルシファーはユラリと立ち上がった。

「お前から死ぬかい…?」

「……!」

腰を低く落とし、素早く身構えるシオン。

両者の間に張り詰めた空気が流れる。

しかし。

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