alternativeⅡ
思わずマーガレットは、大きく目を瞬かせる。

眠気が襲ってきたのだろうか。

アレクセイの姿がぼやけたような気がしたのだが。

もう一度瞬き。

違う、眠気ではない。

確かにアレクセイの体がブレて見える!

周囲の景色に変化はないのに、アレクセイの姿だけが二重三重になっているかのような、そんな不可解な光景。

狐に摘まれたかのような現象に、思わずマーガレットの足が止まる。

「確かアレクセイ大尉は…日系人でしたよね…」

「ああ…」

戦闘の最中にもかかわらず、彼はマーガレットの問いかけに答える。

「私は日系アメリカ人だが、それが何か…?」

「だったら…」

マーガレットの背中を、冷たい汗が流れた。

「その動きは、『東洋の神秘』って奴ですか…?」

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