alternativeⅡ
アレクセイは答えない。

返答の代わりに。

「~~~~~っっ!」

マーガレットから見れば怪現象でしかないような動きを見せた。

目の前で増えていく、アレクセイの姿。

一瞬、ほんの一瞬ではあるが、彼の姿が5人10人と分身したかのようにさえ見えた。

マーガレットを囲むようにズラリと並んだアレクセイ。

その先頭が彼女の背後に回りこんだかと思うと。

「詰みだ」

トン、とマーガレットの背中を小突く感触。

振り向けば、立てかけておいた軍刀を片手に握り、鞘のまま先端で背中を突くアレクセイの姿がそこにあった。

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