alternativeⅡ
ぶわっ、と。

マーガレットの顔面に汗が噴き出す。

「アレクセイ大尉…遠い祖先がジャパニーズニンジャだったりします…?」

「生憎と平凡な家庭だ」

アレクセイは軍刀を下げて微かに笑った。

「肢曲(しきょく)という古武道…というよりは暗殺術に近い技術だ。歩行速度に緩急をつける事で敵に残像を見せる」

本能で戦うAOKにどこまでこの技術が通用するかはわからないが、視覚に頼っているのならば少なからず翻弄はされよう。

「はぁ~…」

マーガレットが溜息をつく。

きっとアレクセイは、小難しい古武道の本を、眉間に皺を寄せながら熟読して習得したに違いない。

その様子が手に取るように想像できて、彼らしいなと内心苦笑いしたのだった。

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