alternativeⅡ
10分ほどして爆発がおさまり、ようやくアレクセイ達は周囲の確認に入る。

まずアレクセイがした事は、10式近接戦闘用軍刀の抜刀だった。

先程落着したのは、紛れもなく隕石。

国連軍の兵士ならば、隕石と聞いて真っ先に思い浮かべるのはAOKの襲来だ。

過去二度に亘って地球に飛来した地球外生命体。

落着地はいずれも壊滅的な被害を蒙っている。

この基地に落着した隕石もまた、そのAOKを満載したものなのではないか。

「マーガレットはここにいろ」

「いっ、いやです!私もいきます!」

恐怖を感じているのか、マーガレットがアレクセイの腕にしがみつく。

…仕方ない。

彼はマーガレットと共に、警戒を厳にしながら爆心地へと近づいていった。

近づけば近づくほど、周囲の温度は高くなっていく。

大気圏を突破して飛来した隕石だ。

当然とてつもない高温を有している。

冬だというのに汗ばむほどに、周囲は高い熱を帯びていた。

そして、これ以上は近づけないという高温になった所で立ち止まり、アレクセイは遠巻きに隕石を確認する。

視界におさまりきらないほどの巨大なクレーター。

その中心部に、まだもうもうと白煙を上げる茶褐色の岩塊が埋もれていた。

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