alternativeⅡ
フォートブラッグ基地の異変に気づいた北米大陸の国連軍基地から、救助隊と調査チームが派遣されてくる。

懸命の救助活動、そして負傷者の手当て。

同時に落着した隕石を調査する為、化学防護服を身に纏った科学者達が、クレーターへと降りていって一時間が経過しようとしていた。

彼らは一通りの調査を終え、アレクセイ達のもとへと戻ってくる。

「どうだったんだ。あの隕石は一体…?」

内部にAOKの卵を内包していないのは確からしいが、あの隕石が宇宙から飛来した只の石コロとは考えにくい。

そうだとしても、まずはあらゆる可能性を疑ってかかるべきだ。

もう、この宇宙に生命体が存在するのは地球だけ、などという台詞は誰にも吐けなくなってしまったのだから。

「…驚いたよ」

化学防護服のヘルメットを取り外し、科学者の男性は大きく息を吐く。

「隕石の正体は判明したのか?」

結論を急ぐアレクセイ。

男性は無言のまま、彼が腰に帯びた10式近接戦闘用軍刀を指差した。

「それだよ」

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