alternativeⅡ
数枚ある写真のうちの一枚は、どうやら2010年末現在の最新の喀什の様子を写した物らしい。

荒れ果て、既に人の住んでいた気配すら感じさせない荒廃した土地。

小さく写っている白い影は、喀什に生息しているAOKだろうか。

それらが無数に徘徊している。

写真に写っているだけでも百は下らないだろう。

まさにAOKの楽園と化した喀什。

迂闊に人間が足を踏み入れれば、殺到してきたAOKの群れによって肉体を貪られるだろう。

「ここに写っているもの、お分かりですか?」

男性士官が写真の一部を指差す。

「これは…」

目を凝らす妃。

「喀什遭遇戦の時の塹壕?…いえ…これはまさか…」

彼女は男性士官の顔を見る。

士官もまた頷いた。

「……AOKの巣穴です」

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