alternativeⅡ
竹を割ったようなさっぱりした性格の妃らしからぬ発言。

「だ、大丈夫ですよ…妃博士一人でAOKの巣穴に潜入する訳じゃないんです。腕利きの完全抗体保有者の兵士達がサポートしてくれます。博士は彼らに戦術アドバイスやAOKの生態に関する情報を提供してくれれば…」

励ますような士官の言葉に、妃は再び首を横に振った。

「違うの…そうじゃないのよ…」

そう言ったきり彼女は何も語ろうとしなかったので、男性士官には彼女の思惑は察する事はできなかった。

…用件を告げた事で士官が医務室を去った後も、妃の表情は浮かなかった。

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