alternativeⅡ
誰もいなくなった医務室の椅子に腰掛け、窓の外を見つめる。
医務室の窓からは、遥か彼方まで続く地平線が見渡せる。
凍てつく風が吹き荒ぶ凍土。
その遥か先には、AOKの支配域である喀什がある。
いずれ妃が完全抗体保有者の部隊と共に向かう地。
そして、妃の終焉となるであろう地。
「……」
立てかけてある10式近接戦闘用軍刀に視線を移す。
そう、自分は生き残ってはいけない。
少なくとも、このまま傷一つ負わずに安穏と日々を過ごす資格はない。
この軍刀を送ってくれた親友のように、戦場を血みどろになって這い蹲って、恐怖と絶望に打ちのめされなければならないのだ。
医務室の窓からは、遥か彼方まで続く地平線が見渡せる。
凍てつく風が吹き荒ぶ凍土。
その遥か先には、AOKの支配域である喀什がある。
いずれ妃が完全抗体保有者の部隊と共に向かう地。
そして、妃の終焉となるであろう地。
「……」
立てかけてある10式近接戦闘用軍刀に視線を移す。
そう、自分は生き残ってはいけない。
少なくとも、このまま傷一つ負わずに安穏と日々を過ごす資格はない。
この軍刀を送ってくれた親友のように、戦場を血みどろになって這い蹲って、恐怖と絶望に打ちのめされなければならないのだ。