alternativeⅡ
誰にも話せず、たった一人で抱え込んだ苦悩。

その事を思い、窓辺で涙を浮かべる。

「妃先生!ケーキ美味しかったです!部隊のみんなもお礼を…」

間の悪い事に、そこに先程の少女兵士サーシャが入ってきた。

ケーキの礼を言いにきたのだろう。

そこで涙を浮かべる妃を目撃してしまう。

「き…妃先生…?」

「あ…サ…サーシャ…」

慌てて瞳を拭う妃。

「そ、そう…ケーキ喜んでもらえたのねっ。よかったわ、作った甲斐があったわっ」

何とか取り繕おうと、彼女はぎこちない笑みを浮かべた。

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