遠恋
第3章 すれ違い
「あんた、何してんの?」
それは突然の出来事。
誠也は他の女に「好き」「大好き」など言っていたことがわかった。
教えてくれたのは、同じバレー部の千夏。
千夏は明るくておもしろくて可愛いからモテるタイプだった。
「ごめんな…」
「許さないっ」
なんで?
ねぇ…あたしだけじゃ不満なの?
「なんで千夏に告ったりすんの?ねぇ…」
「ごめん。ほんまに好きなのは樹衣やで」
「信じられないっ」
信じられない。
いくらなんでもひどすぎるよ。
「別れよう」
別れよう…?
「やだよっ、あたしには誠也しかいないんだよっ、誠也じゃなきゃ…」
「でも俺、傷つけるだけだから」
「傷ついてもあたしは誠也がいいのっ」