遠恋
第6章 距離
あたしは本で「3ヶ月ごとに倦怠期がくる」って知った。
でもあたしたちにはそんなものはなかった。
誠也、覚えてる?
あの日のこと。
あたしね、もうあんな思いしたくないよっ。
それは多分、夏休みが終わり秋になろうとしていた頃。
その日あたしはダンスの練習があった。
みんなより少し早く来てしまい暇だったので、誠也にメールを送った。
「誠也く~ん」
「なに?」
なんか今日冷たいな。
あたしは誠也の変化に気付かなかった。
ただ不機嫌なだけ、そう思っていた。
「なんか今日冷たいね」
あたしは思い切って聞いてみた。
ねぇ、なんで…?
「別れよう」
何分くらいたったんだろう。
もう練習どころじゃなかった。
そのままソファーに座って携帯を眺めていたあたしに友達が声をかけてきた。