クローバー
「あの。。。」



みんながあたしの顔を覗きこむ。




「心配かけちゃってすいません。」



あたしは、ピョッコと頭をさげた。



「はっ、なんで謝ってんだよ。てか、なんで敬語なわけ?」




えっ、だって、え?


あ~、なんかわけわかんない。



「佐久間さん。もしかして。。。」



いつから、居たのかお医者さんが口を開いた。



「佐久間さん、あなたはなぜここに居ますか?」


あたしなんでって、聞かれても。。。



こういうときは、笑ってごまかそっかなぁ。




「あははぁ、それがあんまり覚えてなくてぇ」



みんなの顔が凍りつく。



あたし、なんか変なこと言った?



「それじゃぁ、あと1問質問するね。君の彼氏の名前は?」



なんて、事聞くのこのひと。



まったく、そんなの


「居るわけないじゃないですかぁ」



空気がとまった。この病室の空気が。



窓の向こうからは、こどもの泣いているこえが聞こえた。







「お父さん方、少しいいですか。」


お父さん達は出て行き、女の子はあたしから手を解き、


「また、明日」

と、俯きながらかえってしまった。


あたしは、また眠りについた。
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