クローバー
ガチャ//



病室のドアが開いた。


「あら、瞬君いらっしゃい。さくら、お母さん買い物に行って来るね。」



「うん」



2人っきりになった。広い病室。




さわやかな、風が流れ込む。




「あっあのさ、俺、佐伯瞬。宜しく」



はにかんだ笑顔で笑う、かっこいいこだなぁ。



(昨日来ていた子達は、さくらの大事な大事な友達よ。)



お母さんの言葉を思い出した。



「あのね、あたし記憶なくしちゃったんだけど、これからもあたしと仲良くしてくれる?」



そしたら、おもいっきりの笑顔を見せた子。


あたしは、この笑顔がなんか落ち着く。


「あたりまえだろ。」



「ありがと。あのさ、あたし瞬君のことなんて呼んでた?」



顔が真っ赤になった瞬君。


あたしなんか変なこと言ったっけ?


「ねぇ!!」


「えっと。。。しゅ。。。」


俯くしゅんくん。



「何、聞こえない」


「瞬ちゃんだろ。瞬ちゃん。それくらい思い出せよ。」



顔、真っ赤だし。かわいい。



「しょうがないでしょ?記憶無いんだから。てゆうか、自分で瞬ちゃんっていった。」


爆笑するあたしに、俯き顔を隠す瞬ちゃん。

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