夕焼けの下で
「…はい…」

美咲の言葉が放れないせいか紗季は、少し弱々しい声が出てしまった。その為…。

「…えっと…桐原さん?なんか元気ない?」

祐一に心配されてしまった。紗季は、慌てて我に返り

「ううん、そんなことないよ!どうして?」
「いや…なんかいつもと声が違うから…」

「……」

祐一の意外な言葉に紗季は、何も言えなかった。

(…なんで…まだ、1ヶ月しか一緒にいないのに…どうしてわかるの?)

不思議に思った紗季は

「なんでそんなことわかるの?」

祐一に思いきって問いかけた。

「えっ?」
「だって私たちまだ出会って1ヶ月しか一緒にいないから…なのにどうして私の違いがわかるの?」
「……」

紗季の質問に祐一は、黙り込んでしまった。それに気づいた紗季は

「あっ…、ごめんなさい。私…。」

慌てて祐一に謝った。すると

「桐原さん、今、どこにいる?」
「えっ?」

さっきとは違う少し低い声で祐一は、問いかけてきた。

「だから、今、どこにいるのかって聞いてるだよ?」
「えっと…青空公園の近く…」
「わかった、そこにいろ!絶対に動くなよ!」

そう言って祐一は、電話を切った。紗季は、公園の中に入りベンチに座った。

「…秦野くん、どうしたんだろ…」

訳もわからないまま待って数時間がすると

「桐原さん!!」
「!?」

息を切らした祐一が紗季の目の前に現れた。

「秦野…くん?」
「はぁ…はぁ…」
「どう…して?」
「…心配…したから…」

じっと紗季を見ながら優しく微笑んでくれた。
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