恋するサンタクロース
「ケーキなんて後で取りに行けばいいだろ」

「いや、それがそういうわけにもいかんのや。 譲ちゃんが予約したん、アイスケーキやねん。 この時期やから店ん中はぬくいし、保冷剤がいつまでもってくれるか分からへん。 予約までしてくれたお客さんにどろっどろに溶けてもたケーキ渡すわけにもいかんしな」

「そんなの知ったことじゃねーよ」

「そうけ。 それやったら営業妨害やと見なして相応のことさせてもらうで?」

それまで、温厚だった青年の雰囲気が一変する。

人懐っこい笑みが凍てついたものに取って代わった。
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