恋するサンタクロース
男はいきなり理解不能な言語でまくし立てられて一瞬うろたえたが、その中に含まれた侮蔑の念だけを感じ取って少女に殴りかかろうとした。

が、ポンと軽く肩を叩かれる。

「兄ちゃん、悪いんやけどその譲ちゃん放したってくれへんかな?」

男の背後には赤い帽子に赤い服の──この時期、よく居るサンタクロースの格好をした──青年。
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