Virus ―Another Story―
「ここは……訓練所ね」
息を整えながら彼女は呟く。
サラサラとボブくらいの赤茶の髪が風に煽られて流れる。
一見、大人の女性に見える彼女だが、顔つきが少し幼い。
ショートパンツにレギンス、ブーツを履き、ダウンジャケットを着ているあたりを見ると、恐らく大学生くらいだと思われる。
その時、数m先で動く何かが目に入った。
「!?」
彼女は思わず構えた。
そこに居たのはまたあの動く死者だ。
距離で言えばかなり近い。
しまった!
そう思って後ろに戻ろうとしたがダメだった。
「ッ!?」
さっき、彼女が入ってきた入口からぞろぞろと入ってくるのは追いかけてきた死者だ。
もう逃げ場はなかった。
そう思うと体が上手く動かない。
その間もよろよろとしながらだが確実に死者は近づいてくる。
ここに来る前に、首を噛まれ死んだ人や大勢の死者に食い殺されている人を嫌と言う程、見てきた。
あぁ…
私もアレに噛まれてあんな風になって死ぬんだわ……。
そう思っていた時だった。
「!?」
前から来ていた、それはいきなり方向展開をして違う場所をさ迷い始めた。
息を整えながら彼女は呟く。
サラサラとボブくらいの赤茶の髪が風に煽られて流れる。
一見、大人の女性に見える彼女だが、顔つきが少し幼い。
ショートパンツにレギンス、ブーツを履き、ダウンジャケットを着ているあたりを見ると、恐らく大学生くらいだと思われる。
その時、数m先で動く何かが目に入った。
「!?」
彼女は思わず構えた。
そこに居たのはまたあの動く死者だ。
距離で言えばかなり近い。
しまった!
そう思って後ろに戻ろうとしたがダメだった。
「ッ!?」
さっき、彼女が入ってきた入口からぞろぞろと入ってくるのは追いかけてきた死者だ。
もう逃げ場はなかった。
そう思うと体が上手く動かない。
その間もよろよろとしながらだが確実に死者は近づいてくる。
ここに来る前に、首を噛まれ死んだ人や大勢の死者に食い殺されている人を嫌と言う程、見てきた。
あぁ…
私もアレに噛まれてあんな風になって死ぬんだわ……。
そう思っていた時だった。
「!?」
前から来ていた、それはいきなり方向展開をして違う場所をさ迷い始めた。