流れ星 ―輝く空―
第1章* 秘密の星
『聖月 ! 見て、高井君だよッッ !』
友達の緑栞里(ミドリ・シオリ)が人気者の高井君を見て耳元でつぶやいた。
「なんであんなのスタイルがいいんだろう。だからモテるんだよなぁ。」
さらにはあきらめたようにうつむいた。
恋愛がどういうものなのか分からない高校生・歌野聖月(ウタノ・セイヅキ)。おどろく事に恋愛経験無し。
「高校生なら恋愛は何回もするでしょ。」
早い人は小学生の頃から恋愛をしているらしいけど。
・・・・・・わたしには無い。
まわりの友達が好きな人がいて、片思いしたりあるいはもう付き合ったり。
そんな恋愛ブームのオーラーにわたしはついていけない。
外見からして、髪はボサボサしているし勉強も普通くらいの成績だし、高校三年生なのに大学も決まっていない。
「そろそろ進路について考えたらどうですか ? 」
近所の人とかクラスの子とか大学の友達によくそう言われてしまう。
考えろって、言われましても・・・・・。
どう考えていいのか分からないんです。
その前に立ちはだかっている壁を崩す事ができない。
分かる ? この気持ち。