「いたずらっこ。」クリスマス


「ふぉっふぉ。じゃあ雪でも食べなさい」

「身体が冷えてしまいますっ」

「じゃが、他に食べるものなど…………」

「何か、まっとうなものを食べさせてくださいっ!」

サンタは困惑顔、トナカイは混乱顔。

どうしようもなくなってしまった。

雪だけがしんしんと降っている。


サンタは、低い声でトナカイに言った。


「そうじゃのう、もうしばらく我慢してもらえんか。妖精の所をまわるまえに何か食べようじゃないか」

「はいっ!」


トナカイは猛烈(もうれつ)に走り出した。

早く何か食べないと飛ぶことすらままならないかもしれないからだ。

だから、全力を出した。サンタも手際良く、さかさかとプレゼントを配っている。


まだまだ真夜中、風が少しだけ強くなってきていて粉雪のダンスが激しくなっていくのだった。


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