「いたずらっこ。」クリスマス
サンタの家に到着した。
二人が帰ると、そこには冬の妖精がいたのだった。
冬の妖精は、二人の姿を見つけると跳ね上がって逃げてしまった。
言いたいことを言えず、してあげたいことをできずにいる。
不運というものは、一体どういうものなのだろうか。
できないことか、しないことなのか。それは分からない。
「どうしたんでしょうねえ」
「ほうらスレイプや。クリスマスケーキじゃ。チョコレートをコーティングしてやったぞ
い」
「…………わざとですね?」
トナカイは仕方なく嫌いなチョコレートケーキを食べ始めた。
サンタは反省していてがっくりと肩を落としている。
トナカイの好物を覚えていなかった。それが悔やまれたのだろう。
大切な存在のはずなのに。記憶はどうしても無意識中にも作動しているので、こういうことはあるのだ。仕方ない、と言ってしまえばそれまでなのだが。
サンタは出来る努力をしなかったことに対して後悔をしているのだ。