君に俺の目をあげる
死んでる目
仕事の事情で東京から地元に戻って数ヶ月。


とくにやる事もなく時間を持て余していた22歳の俺は、友達に誘われれば断りもせず、意味のない合コンに明け暮れていた。


「悠希君って彼女いるでしょ~あっ、いないわけないか。可愛い顔してるもんね」


自分の顔に自信なんてこれっぽっちもない。


が、大抵の女は探りを入れてきては口裏を合わせたようにこう言う。


おかげで一切女に不自由してない。


不自由はしていないけど、回数をこなしてるわりに惹かれる女に一度も出逢ってなかった。


こんな生活をしてたらダメになる。


そろそろ真面目に生きないと。


わかってる。


わかっていても、ついて来る女がいるからには断らない。


そこそこの女をそこそこに抱く。


それが幸せなのか


不幸せなのか


俺にはさっぱりわからなかった。
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