パズル


見たことない場所



ここが駅…煉瓦で出来ていて素敵


汽車が数台来ている


大きい…



と、少し離れた所に見慣れた人が



「ジャック!あそこにいるの
アレックスじゃない?」



アレックスの向かいにはトムがいた


「トムもいるな…」



トムは大きい鞄を持っている
あぁやっぱり本当なんだ



「トム!アレックス!」


2人に近づいたら気付いた


「来たんですか博士たち…」


「そりゃそうよ!」



「…トム、何でもっと早く言わなかったの?
私今日寝坊しちゃって…」



ボソ「…プッだせ」



「アレックス!!」



トムは呆れた顔をしてたけど
ゆっくりと口を開いた



「そうだな…もっと早く言えば良かったな
ごめん…なかなか言い出しにくくて…



……俺…子供だった
みんなに迷惑かけたし
馬鹿だったな…」



照れくさそうに、だけど
今まで話した中で一番素直に
喋れているんじゃないかな



「アレックス…世話になったな
おばさんに宜しく言っといて」


「さんざん言っただろ」



「………ジャック………」



「あ、はい…」


ジャックと自分の名前を
トムに呼ばれてビックリしていた



「…あんたには沢山謝らなくちゃいけない
本当にごめんなさい…


それから…姉さんのこと
姉さんはあんたと結婚できて
ホントに幸せだったんだよ
あんな幸せそうな姉さん見たことなかった」


「トムっ…ありがとう…」


プシュー!

汽車が鳴り出す
トムは汽車に乗った


「あ!それから…エリシャさん」


「なに!?」


「あんたに会えて良かった」


扉が閉まる…―



扉越しにトムが何か言っている


汽車が動き出す





ジャックと私は追いかける



確かにトムはこう言った






『ありがとう』





そう言ったトムの瞳から
涙が流れたように見えた



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