Voice
梓は、私がピアノを弾いている間、
ただ、ずっと、黙って、座って…、
そして、私を見つめていた。
…今まで、我慢していたけど、
あまりにも、
ジロジロ見るもんだから、
内心、気になって仕方なかった。
「あの…。
そんなに見ないでくれます?
気になって、仕方ないんですけど。。。」
私は、思い切って、そう言った。
でも、梓は、
私から目を逸らすことは、なかった。
真剣に見つめる、その目は、
何か企んでるように見えて…。
…すごく怖かった。
沈黙が続くと、
梓は、それを破るように話しかけてきた。