Voice
「嫌です!
ってか無理です!
…私は確かに声楽やってますけど、
現代曲は全然歌ったことも聞いたこともないし、
興味ないって言ったでしょ?
第一、私は女なんですけど!
よりによって男って…。
私を何だと思ってるんですか?
馬鹿にするのもいい加減にしてください!!!」
すると、社長は、潤んだ目をして言った。
「…お願いだよ!
君は櫻木高校の声楽コースなんだろ?
運がいいこと全体的に高めの楽譜だし…。
この仕事はベルと私たちの
今後の人生が掛かってるんだ!
どうしても成功させたいのだよ!!
私達の為…頼む!
この通りだっ!」
最後は、土下座までしてきた。
その瞬間ベルと、目が、あってしまった。
「お願い…します。」
ベルも頭を下げて、言った。
うわぁ~。
なんだ?
この状況は…。
ここでは、今、私しか、
歌える人がいないのか?
…まるで、これも運命だ!!
と言わんばかりじゃないか。
…仕方ないかぁ。
そこまで、言われちゃぁ、
引き下がれないもんなぁ。。。
「…はぁ。
今回かぎりですよ。」
私が、そう言うと、社長は泣きだした。
「ありがとう!!!」