Voice
「高丘さん、美紀、
今日は後の仕事、ドラマ収録だけですか?」
高丘さんは、手帳を見て頷いた。
「ええ、
それ以外は特に無いわよ。」
「じゃあ、
今日は一日、休ませて下さい。」
梓?!何を言って…。
「…そうね。
その方がいいみたいね。」
「た、高丘さん!
何言ってるんですか!
私は大丈夫です。
いつも以上に演技してみせます!」
この位、全然平気!
…なのに。
高丘さんは、
私と梓の顔を交互に見てから、
突然、大きくため息をついた。
「…美紀ちゃん。
頑張るのはいいけど、無茶は駄目よ。
今日はとにかく、ゆっくり休んでね。
私は監督の所へ行って謝ってくるから。
梓君、後はよろしくね。」
「はい。」
「ちょっ…。」
高丘さんは
荷物を持って行ってしまった。
二人残された保健室はすごく静かだった。