ふたりだけの特別な絆
「そっか…。」
お父さんは少し寂しさ混じりの笑顔を浮かべる。
「ご、ごめんね…。短期間とはいえ…学校は今のままがいいから…。」
「そうだよな…。陽菜が謝ることないよ。お父さんの仕事の都合なんだからさ…。こっちこそ、急にごめんな。」
お父さんは申し訳なさそうに頭を掻いた。
「そ、それで…いつから本社の方に行くの?」
「本当に急な話なんだ…。一週間後には向こうに行かなきゃいけなくてさ…。」
「えっ!一週間後!?」
パッと反射的にリビングのカレンダーに視線を向けてしまった。
か、かなり急だなぁ…。
…ということは、私は来週からしばらくの間、一人暮らしすることになるんだ…。