ふたりだけの特別な絆
えっ……
私の考えてること見透かされてる!?
如月さん、鋭い…。
的確なことを言われてしまった私は、ビクッと心臓が跳ね上がった。
「まあ、逃げる…なんて選択肢を無くすぐらい、俺がレッスンに集中させてやるから、大丈夫だよ。」
キラキラとした爽やかな笑顔で言われても…安心するどころか、ますます緊張感は募るばかり。
逆効果もいいところだ…。
カチカチに固まってる私をよそに、如月さんは朝食に使った食器類をテキパキと片付けて始める。
ゆっくりと片付けてくれればなぁ…。
そんな淡い期待を抱いていたものの、如月さんは、10分もかからないうちに後片付けを綺麗に終わらせてしまった。
は、速い…。
速すぎだよ…。
口をポカンと開けていると、私の傍に如月さんがやって来た。
「お待たせ。とりあえずリビングに行くぞ?」
微笑んだ如月さんは、私の手をギュッと握る。
その瞬間、私の体は思いっきり震えてしまった。