ふたりだけの特別な絆
不満をぶつけたいと思ったけれど、グッと堪えた。
反論するのは控えておいた方が良さそう…。
余計に意地悪なことされたりしたら、たまったもんじゃない…。
仕方なく、私は再び口を開いた。
「悠哉さん…。」
先ほどよりも大きな声で呼ぶと、如月さんは、くっつけていたおでこを少し離した。
「……合格。欲を言えば、“さん”は必要ねぇんだけどな。」
「い、いいじゃないですか。そこは私の自由ですっ!」
「そうやって陽菜が怒っても、恐い…っていうより可愛く感じるよな。」
目を細めてニコニコ笑う如月さんに、私は顔がますます熱くなる一方だ。
赤い…どころじゃなくて、もはや真っ赤だろう。
恥ずかしいから手で顔を覆いたいのに、如月さんに手を押さえられてるから何も出来ないよ……。
視線も合わせるのが限界になってきた私は、咄嗟に目を瞑った。