ふたりだけの特別な絆
「午後は二人で出掛けるから、そのつもりで居ろよ?」
「ふ、二人でっ!?」
すかさず出た私の声は、リビングに響きわたった。
「食べ物とか買い出しに行かないといけないからな。俺…この周辺のことは、まだよく分からないし、陽菜が案内してよ。」
にっこりと微笑む悠哉さんは、私の背中に回していた手の片方を頭へと移動させた。
「よろしくな、陽菜。」
頭を優しく撫でられて、穏やかな眼差しで目を見つめられて…。
私は、ただただ頷くことしか出来なかった。
断りたかったはずなのに、その言葉が出てこなかったんだ…。
なんでだろう…。
悠哉さんが不意に見せる笑顔や優しい瞳には…
なんだか不思議な力があるような、そんな気がしちゃうよ…。