ふたりだけの特別な絆

「こ、このまま買い物に行くんですか…?」


「そうだよ。」


当たり前…と言わんばかりにサラリと返ってきた言葉。


私は、少し顔を引きつらせながら、悠哉さんに握られている手をチラリと見た。


二人で外出することにも抵抗があるのに、手まで繋いでいくなんて……


は、恥ずかしいよ…。


これじゃあ、傍から見たら私と悠哉さんが付き合ってるかのように、思われちゃうかもしれないじゃん…。


再度、手を振りほどこうと試みたけれど、悠哉さんの力には叶わず呆気なく失敗に終わってしまった。


「手は離してやらねぇよ?」


余裕たっぷりの笑顔を向ける悠哉さんに対して、私はオロオロする一方だ。


「レッスンも終了したんですから、別に繋がなくてもいいじゃないですか!」


思い切って反論してみたけれど…



「確かにレッスンは終わったけど、これは補習。」


ニヤリと笑った悠哉さんに、私は“えぇっ!?”と悲鳴にも近いような声を挙げてしまった。



< 122 / 467 >

この作品をシェア

pagetop