ふたりだけの特別な絆
「こ、このまま買い物に行くんですか…?」
「そうだよ。」
当たり前…と言わんばかりにサラリと返ってきた言葉。
私は、少し顔を引きつらせながら、悠哉さんに握られている手をチラリと見た。
二人で外出することにも抵抗があるのに、手まで繋いでいくなんて……
は、恥ずかしいよ…。
これじゃあ、傍から見たら私と悠哉さんが付き合ってるかのように、思われちゃうかもしれないじゃん…。
再度、手を振りほどこうと試みたけれど、悠哉さんの力には叶わず呆気なく失敗に終わってしまった。
「手は離してやらねぇよ?」
余裕たっぷりの笑顔を向ける悠哉さんに対して、私はオロオロする一方だ。
「レッスンも終了したんですから、別に繋がなくてもいいじゃないですか!」
思い切って反論してみたけれど…
「確かにレッスンは終わったけど、これは補習。」
ニヤリと笑った悠哉さんに、私は“えぇっ!?”と悲鳴にも近いような声を挙げてしまった。