ふたりだけの特別な絆

「悠哉さん…、こっちの道を歩いて10分ぐらいのところにスーパーがありますから…。」


私はスッと道を指差す。


そちらへ向かって歩こうとしたものの、なぜか悠哉さんはピタリと足を止めた。


「あ、あの…どうかしたんですか…?」


疑問に思いながら首を傾げた。


「スーパーは後回し。まずは、この周辺の地理を知るために散歩するから、宜しくな。」


「えっ…」


瞬きを繰り返す私を見ながら微笑んだ悠哉さんは、スーパーへと続く道とは別の方向に歩き始めた。


ちょ…
ちょっと待った…!!


スーパーに行くのを後回しにしないでよっ!


なんで悠哉さんと散歩しなきゃいけないの!?


せっかく補習を早く終了させようと思っていたのに、あっさりと予定を狂わされてしまった。


ど、どうしよう…。
途端に頑張れる気がしなくなってきた…。



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