ふたりだけの特別な絆
「綺麗な秋晴れだよな。まさに散歩日和じゃん。」
「………。」
足取り軽く歩いていく悠哉さんは、声を弾ませる。
そのテンションに、もはや私はついていけない状態だ。
「陽菜、大丈夫か?かなり元気ないけど…。」
「大丈夫…じゃないです。」
ポツリ…と呟くように答えた。
だって本当のことだもん。
悠哉さんのレッスンを受けた挙句に、予想外の補習。
ハード過ぎるよ…。
ガクッと肩を落とすと、いきなり悠哉さんが私の顔を覗き込んだ。
「疲れたなら…、ここに充電しようか?」
悠哉さんの人差し指でツンツンと突かれたのは…
私の唇。
触れられた瞬間、ビリッと電流が走ったかのように、体がはね上がった。