ふたりだけの特別な絆
その後、悠哉さんのゆっくりとした散歩のペースに、みっちりと付き合わされてしまい…
気付けば家を出てから1時間ほど経過していた。
ようやく後回しにされていたスーパーにやって来たけれど、私は…もはやクタクタ。
スーパーの入り口の前で、思わずため息が零れた。
「陽菜、大丈夫か…?さすがに疲れたよな?」
「えっ!?だ、大丈夫です!疲れてなんかいませんから!」
心配そうな表情の悠哉さんに、慌てて元気なフリをしてみせた。
“大丈夫じゃない…”なんて言ったら最後、本当にキスされるかもしれないもん…。
それは…避けないと。
「陽菜と散歩してたら楽しくてさ、あっという間に1時間ぐらい経ってた…。補習とはいえ、付き合ってくれてありがとな。」
「は、はい…。」
ニッコリと笑う悠哉さんに、なんとも間の抜けたような声で返事をしてしまった。
そ、そんな風に言われちゃうと…調子狂う。
イラッとする気持ちなんか失せて…
不覚にも、少しだけドキッとしちゃったよ…。