ふたりだけの特別な絆
「あのっ…実は私のお父さんと悠哉さんのお父さんが友人らしくて…。その関係で、悠哉さんに頼んだみたいなんです…。そ、それだけですから…。」
「そっか…。それで同居してるんだね…。」
アタフタしながら説明をすると、女の人はホッと安心したような、柔らかい笑顔を浮かべた。
「あ!名乗るのが遅れちゃったけど、私…水澤 芹佳(ミズサワ セリカ)です。いつも如月課長には仕事でお世話になってます。宜しくね、陽菜ちゃん。」
「は、はい。宜しくお願いします…。」
透き通るような素敵な声と笑顔で挨拶をする水澤さんに、私もお辞儀をした。
本当に美人だなぁ…。
またしても水澤さんに見惚れていると、悠哉さんが繋いでいた手を少しだけ揺らした。
「陽菜、水澤さんの買い物の邪魔しちゃ悪いし、そろそろ帰るぞ?」
「は、はい…。」
私はコクンと頷く。
「じゃあ、水澤さん…。また月曜日な。」
挨拶を終えた悠哉さんに手を引かれて、二人で帰ろうとした時だった。
「あっ…如月課長!よ、良かったら……これから私の家に来ませんか?」