ふたりだけの特別な絆
「せ、せっかく誘って頂いたんですけど…私は帰ります…。その代わり、悠哉さんは参加しますから。」
「なんで陽菜が勝手に決めてるんだよ。」
不服そうな表情の悠哉さんに顔を覗き込まれた私は、フイッと視線を逸らした。
だって…
これは、補習を早く切り上げるチャンスだもん。
悠哉さんが、お茶会に行ってくれれば、私は自動的に補習から解放される。
家に帰った後も、しばらくゆっくりと休日を過ごせるもんね…。
この絶好の機会を逃すわけにはいかないよ…。
「あの…、課長?」
水澤さんの呼ぶ声に、悠哉さんは私に近づけていた顔をゆっくりと離した。
「水澤さん、悪いけど…俺も参加は遠慮しておくよ。ごめんな。」