ふたりだけの特別な絆
「いいなぁ〜。陽菜は今日から一人暮らしかぁ…。なんか、“自由”って感じで羨ましい!」
教室にやって来ると、明衣は目をキラキラと輝かせながら私のところに駆け寄ってきた。
数日前に、2ヶ月ほど一人暮らしをすることを明衣に打ち明けたんだけど…
テンションの上がりっぷりにはビックリしてしまった。
私以上に、かなり一人暮らしに対する憧れがあるらしい。
「あっ!せっかくだから、近いうちに陽菜の家に遊びに行ってもいい?」
「う、うん…。」
明衣に両手をギュッと握られた上、熱い視線を注がれた私は、気力に押される形でコクンと頷いた。
ま、まあいっか…。
明衣が来てくれたら、寂しさとかも紛れて楽しい時間を過ごせそうだもんね…。
“やったぁ!”とはしゃぐ明衣に笑みが零れた。