ふたりだけの特別な絆
「その感じだと、少しは変わったみたいねっ!」
満面の笑みを浮かべる明衣に、私の顔はカーッと熱くなってしまった。
「なっ、何言ってるのよ…明衣ったら!」
「あ〜、やっぱり羨ましいなぁ…。私にも、そんなキッカケが巡ってきてくれないかなぁ…。」
明衣、テンション高すぎ。
今日は特にスゴいかも…。
目を輝かせながら、はしゃいでいる明衣に苦笑いを浮かべた。
このままだと、もっと悠哉さんとのことを深く追及されそうな予感がするし、ここは、ひとまず…
「あっ!私…借りたい本があるから、ちょっと図書室に行って来るね。」
「えっ!ちょっと、陽菜!?」
握られていた手を慌てて解いて、食べ終わっていたお弁当をカバンにしまい込むと…
私は逃げるようにして、教室を飛び出した。