ふたりだけの特別な絆
朝は明衣とにこやかに会話をした私だったけど…
その後の授業では、睡魔に襲われて、ひたすらボンヤリしてしまい、あっという間に放課後になってしまった。
学校を出た私は、ふぁ…と大きな欠伸を何回もしながら帰り道をトボトボと歩く。
20分ほどで家に着くと、手に持っていた鍵でドアを開けた。
「ただいま…」
太陽の光が弱くなり、薄暗くなった空間に、私の声が力なく響く。
もちろん、“おかえり”なんて言葉が返ってくるわけがなくて、小さくため息を零してしまった。
お父さんたち…今頃どうしてるかな…。
引っ越し作業、無事に終わってるといいけど…。
二人のことを頭に浮かべていると、カバンに入っている携帯電話のバイブが震えた。