ふたりだけの特別な絆

朝は明衣とにこやかに会話をした私だったけど…


その後の授業では、睡魔に襲われて、ひたすらボンヤリしてしまい、あっという間に放課後になってしまった。


学校を出た私は、ふぁ…と大きな欠伸を何回もしながら帰り道をトボトボと歩く。


20分ほどで家に着くと、手に持っていた鍵でドアを開けた。




「ただいま…」


太陽の光が弱くなり、薄暗くなった空間に、私の声が力なく響く。


もちろん、“おかえり”なんて言葉が返ってくるわけがなくて、小さくため息を零してしまった。


お父さんたち…今頃どうしてるかな…。


引っ越し作業、無事に終わってるといいけど…。


二人のことを頭に浮かべていると、カバンに入っている携帯電話のバイブが震えた。



< 16 / 467 >

この作品をシェア

pagetop