ふたりだけの特別な絆

「彼氏じゃありません!絶対に違います!断じて違いますからっ!」


二人の迫力に負けじと、私も気合いを入れて言葉を返した。


「それじゃあ…、その人って…誰?」


「えっと…」


不思議そうな表情で見つめる日高さんに、言葉を詰まらせてしまった。


彼氏…じゃないけど、かといって、正直に“同居人です”なんて言えない…。


一緒に住んでることなんて言ったら、ますます私と悠哉さんの関係を誤解されそうだもん。


よ、よし…。
ここは、適当に言って切り抜けよう…。




「あの人は、遠い親戚です!たまたま私の家に遊びに来てただけです。」


「親戚…?でも、買い物の時は手を繋いでた…って聞いてるけど…」


「すっごく過保護な親戚の人なんです!」


「へ、へぇ…。」


日高さんと杉坂さんは、若干…苦笑い気味だ。


ちょっと無理やりな理由付けだったかな…。


ま、まあいっか。



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