ふたりだけの特別な絆
「じゃあ、結論は…一緒に買い物してた男の人は親戚の方で、紗倉さんに彼氏が出来たわけじゃない…ってことでいいんだよね?」
「はい!そうです!そうなんですっ!!」
力強く首を縦に振ると、日高さんは少し残念そうな表情を浮かべた。
「了解。事情も分かったことだし、これで取材は終わりにするねっ!」
「は、はい…。」
「あ!でも…今後、もしも彼氏が出来たりした時には我々…新聞部までご一報を宜しくねっ!」
「えっ……」
「俺からも、是非宜しくね。」
そ、そんな…
宜しく…って言われても…。
切実なお願い…と言わんばかりの二人の視線に、私は苦笑いをしながら部室の入り口まで後退りをすると…
「あ、あの…それじゃあ失礼します。」
ペコリと会釈をしてから、素早く部室を飛び出した。