ふたりだけの特別な絆
「熱…あるじゃないですか!」
「最近…会社で風邪が流行ってたから、もらってきたのかもしれないな…。」
そういえば悠哉さん…。
昨日から、少し咳してたっけ…。
風邪気味だったのかな…。
「こんなに体調悪くなるまで、無理に仕事することないじゃないですか…。早退してきて、ゆっくり休めばいいのに…。」
「そういうわけにもいかないんだよ…。今日は特に大事な仕事が山積みだったからさ…。」
「で、でも……」
言葉を返そうとすると、悠哉さんは私に凭れかけていた体を起こした。
「それより陽菜、帰りが遅くなること…連絡しなくてごめんな。夕飯、食べたか?特に変わったこととか、何も無かった?」
心配そうな瞳で見つめられた私は、すぐに言葉が出てこなくて、代わりにコクンと頷いた。
体調悪くて辛いはずなのに、私のこと…気に掛けてくれるんだ…。
また私…ドキッとしちゃった…。