ふたりだけの特別な絆
まだダメなの!?
私は、悠哉さんに抱きしめられてから、かなり時間が経ってるような気がするのに…。
何よ、この感覚の差。
悠哉さんのペースに合わせてたら、私…どうにかなっちゃいそうだよ…。
モゾモゾと体を動かしていると、悠哉さんの吐息が耳にかかるのを感じた。
「あのさ、陽菜の看病…すげぇ嬉しかったよ…。」
「ひゃっ…!悠哉さんっ、いきなり耳元で話すのは止め…」
「家に帰って来るまでは、かなり体が辛かったのに、陽菜のおかげで、それが和らいだんだ…。」
「えっ…」
私は体の動きをピタリと止めて、悠哉さんの言葉に耳を傾けた。
「俺、自由で気楽な一人暮らしが一番だと思ってたけど、同居生活も…結構いいもんだな。」
「そ、そうですか?」
「ああ。昨日…陽菜に温かい看病してもらって、より強く思った…。」
そう囁いた後、悠哉さんは私の前髪にキスを落とした。
「ひとりより、ふたりがいい…。」